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白髪の最大の原因は「老化」です。
動物は年をとると次第に体が乾燥して、気血の量も少なくなってきます。すると髪の毛への栄養が足りなくなり、黒く色づかせることができなくなってしまうのです。
そんなときに頼りになるのが「若返りのツボ」。
特に「腎経」とよばれる経絡には、アンチエイジングに効果的なツボが集まっています。
今回はアンチエイジング特効穴「太谿(たいけい)」「大鐘(たいしょう)」「水泉(すいせん)」「照海(しょうかい)」について、詳しくお伝えします。
アンチエイジングのツボ
基本姿勢
かかとのツボ押しは、床やイスに座り、片足だけ膝を曲げ、かかとが自分の体の中心にくるような姿勢を行います。
押すときには息を吐きながら、ゆっくりと力を加えていきます。
痛きもちいい、ずんと響く、しびれる、妙に痛いなど、他の場所とは違う感覚が得られるポイントこそ、いまあなたに必要なツボ。
感覚が得られない場合は、5㎜くらいずつ指を動かして、ツボを探してみましょう。
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太谿(たいけい)
太谿(たいけい)の「太」は、気血が多いという意味。アンチエイジングのパワーを活性化する腎経の中でもとくに重要なツボのひとつです。白髪の増加に加えて、どんよりした腰痛がある、更年期障害がひどいという方。毎夜トイレに起きてしまったり、尿の勢いが弱くなったという方に、おすすめのツボです。
【探し方と刺激の方法】
太谿(たいけい)は、内くるぶしの一番高い点とアキレス腱の間の凹みにあるツボ。
アキレス腱を押さないように気をつけ、凹んだ部分に親指を当て、ゆっくりと垂直に押し込んでいきます。アキレス腱方向ではなく、やや骨寄りに力を加える意識で。10秒程度キープしたら、指を離し、繰り返し3~5回刺激を加えます。左右で痛みに差があるときは、痛い方を中心に行いましょう。
【ポイント】
膝を曲げて自分でこのツボを探すと、下の方にズレてとってしまうことが多いようです。立った状態で内くるぶしを通る高さにあるツボなので「効かないな」と思ったら、少し、上の方を刺激してみてください。
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大鐘(たいしょう)
大鐘(たいしょう)は、アンチエイジングだけでなく、むくみや冷え症、便秘、かかと周辺の痛み、さらには精神を落ち着かせる働きもあるという、さまざまな効果をもったツボ。血行が悪い方にはお灸も効果的です。
【探し方と刺激の方法】
大谿(たいけい)から親指の幅半分から1本分下がった高さ。アキレス腱とかかとの骨が合わさるキワの凹みにあるツボ。
アキレス腱を押さないように気を付け、凹みに指を当てて、ゆっくりと力を加えます。10秒程度キープしたら、指を離し、繰り返し3~5回刺激を加えます。左右で痛みに差があるときは、痛い方を中心に行いましょう。
【ポイント】
骨のキワにあるツボは、角度が大切です。左足の大鐘は、左手で下からかかとを支えるように、人差し指から小指までをかかとに添え、親指でツボを押す様にすると、正しい角度でしっかり刺激が入ります。
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水泉(すいせん)
水泉(すいせん)は、体の中の「水」のトラブルを解消するツボ。「水」は体中を流れて温度調節をしたり、「血」となって体を滋養する働きがあります。
水泉は、髪の乾燥や白髪が気になる方だけでなく、むくみや頻尿、膀胱炎などの、泌尿器関係のトラブル、顔は火照るのに手足が冷たいといった冷えのぼせ、手足が火照って眠れないといった悩みにもおすすめのツボです。
【探し方と刺激の方法】
大谿(たいけい)から親指の1本分真下に下がったところにあるツボ。かかとの骨がぐっと盛り上がる手前のやや凹んだ部分です。
ツボに親指を当て、目には見えないくらいの小さな円を描きながら、1で力を加え、2でほんの少し力を抜くを繰り返し10回。ピリッとした刺激を感じるポイントがあったら、そこを重点的にマッサージします。
【ポイント】
指を立てる角度によって、刺激の入る方向、強さが変わります。痛気持ちよさを感じるポイントを探してください。
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照海(しょうかい)
照海(しょうかい)は、腎の気が海のように集まり、目を明るく照らすという意味を持つツボ。白髪とともに、老眼も気になってきたという方に、特におすすめです。更年期障害や高血圧、アレルギーの治療にも効果的です。
【探し方と刺激の方法】
照海(しょうかい)は、内くるぶしの一番高いポイントから、親指の幅下に下がった骨の上にあるツボ。指先で探ってみると、小さな凹みがあります。
親指または人差し指の先を当て、小さく揺り動かすようにしながら力を加えていきます。30秒~1分程度。
【ポイント】
ゆっくりと深く息を吸い、目に呼吸をさせるような意識を持って行うと、目の疲れや老眼の緩和に有効です。
白髪と薄毛を予防・改善するツボ まとめ
ツボは位置を正確に探して、正しい角度で刺激を加えるととても効果的ですが、セルフマッサージの場合は、そこまでシビアにならなくても大丈夫。
毎日続けることで、自然にポイントが分かるようになり、効果も上がってきます。
大切なことは、意識を集中させること。
はじめのうちはテレビを見ながらではなく、呼吸を整え、自分の体の感覚に意識をきちんと向けてみてください。
繰り返しツボ押しをしていると、そのうち、ツボが自分の指を招いてくれるように、正しいツボが見つかるようになりますよ。
国際鍼灸医師・国際薬膳師・健康美容コミュニケーター・養生文化研究家
鳴海美紀(なるみみき)さん |
1997年北京中医薬大学に留学し、国際鍼灸医師、国際薬膳師を取得。さらにタイやスリランカ等アジア諸国の伝統医学を幅広く研究。帰国後は漢方・薬膳セミナー、美容サロンのメニュー作成・技術指導、店舗への薬膳レシピ提供、テレビ番組の企画、健康記事の執筆・監修 |
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