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「白髪が増えてきたんだけど、食べ物でなんとかなりますか?」という質問をよくいただきます。
答えはYES。若くて体も健康。髪の量も太さもしっかりしているのに白髪が多い、いわゆる「若白髪」は主に遺伝の問題。残念ながら”治療”の対象にはなりません。でも、
「最近、急に白髪が増えた」
「白髪や薄毛が気になり始めた」
「部分的に白髪が多」
「白髪が増えて、疲れやすくなった」
「白髪が増えて、肩こりや腰痛もひどくなった」
といったタイプの白髪は、血の質・血の量・血の巡りの問題。毎日の食生活の中で予防・改善することができるのです。
女性は42歳、男性は48歳で白髪が増える
みなさんは、何歳頃から白髪が気になり始めましたか?
2000年以上前に書かれた中国の『黄帝内経』という本には、女性は7の倍数、男性は8の倍数に応じて、体が変化していくと記されています。
『黄帝内経』によると、女性は、
4×7=28歳で、体が最も充実し、髪も豊かになる
5×7=35歳で、顔にツヤがなくなり、髪が抜け始める
6×7=42歳で、顔がやつれ、白髪が増え始める
男性は、
4×8=32歳で、筋骨たくましく、体が最も充実する
5×8=40歳で、髪が抜け始める
6×8=48歳で、顔がやつれ、白髪が増えてごま塩頭になる
2000年前の中国人と今の私たち。生活のスタイルも食べているものもずいぶん違うはずですが、老化の速度はほぼ変わっていないことが分かります。
生きるためには優先順位が低い髪の毛
東洋医学では「髪は血の余り」と言われます。血は体の隅々に巡って、栄養や酸素を送り届ける役割があります。まずは心臓や脳、肝臓や肺などに。そして筋肉や目、耳などの器官に。そしてその余りがようやく髪を育てるために使われるのです。
「血」が不足したり、質が悪くなったり、流れが滞ってくると、まずは重要な臓器に優先的に血が分配されていきます。直接、命に差しさわりのない髪は後回し。栄養が届かなくなった髪は、黒くなることができず白髪が増えてしまうのです。
白髪が一気に増えやすいのは、妊娠出産、病気やケガなど、血液を大量に消耗した後。また、過労やストレスが長く続くと、血流が悪化して、白髪が増えていきます。
そこで積極的に補充していきたいのが、アンチエイジングに効く養生食材。そして質のよい血を作り、巡りをよくする補助食材です。
白髪の予防・改善に効く「8つのA級養生フード」
アンチエイジングにおすすめの養生フードは「黒い食材」です。
・黒ごま
・黒豆
・黒きくらげ
・海藻(ひじき・もずく・昆布など)
・カキ
・シジミ
・ゴボウ
・プルーン/干しブドウ
これらの黒食材は、黒髪を作り出す養生食材として、昔から知られていました。近年では、さまざまな科学的研究によっても、黒食材のアンチエイジング効果が立証されています。
そのひとつが「ポリフェノール」。色の濃い野菜や果物には、多くのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素を取り除いて、細胞レベルから老化を防いでくれるのです。
血の量と質、流れを改善する補助食材
・レバー・赤身肉
・豆
・にんにく・タマネギ・ニラ
・ほうれん草・小松菜
・黒酢
・クコの実・なつめ
・ナッツ類(クルミ、松の実、アーモンドなど)
これらは、質のいい血液を作り、体をあたためて流れを改善する養生食材です。
栄養学的にみると、レバーや赤身肉、豆類、ナッツ類には良質なタンパク質や亜鉛が含まれています。にんにくやタマネギに含まれるアリシンはコレステロール値を下げ、血液をさらさらに。ほうれん草や小松菜は鉄分も豊富。黒酢は必須アミノ酸が豊富で、疲労回復にも役立ちます。
まとめ ~養生食材の正しい食べ方~
白髪を予防・改善するためには「どれを」「どのくらい」「いつ」「どうやって」食べればいいかが気になりますよね。
正解は「いろいろな種類を日常的に食べること」。
ひとつの食べ物ばかり食べていると、栄養バランスが悪くなりやすいだけでなく、長続きもしません。安直にサプリに頼るのもNG。健康のためにはさまざまな栄養を食べ物の形で、きちんと噛んで美味しく食べることが大切です。体調や季節に寄り添って、体によい食べ物を少しずつ、ムリなく、毎日の生活に溶け込ませていくこと。それが食養生の基本。2,000年の歴史を持ち、西洋医学でも証明されつつある養生食材。みなさんも、毎日の生活に取り入れてみてください。
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鳴海 美紀 Miki Narumi
国際鍼灸医師・国際薬膳師・健康美容コミュニケーター・養生文化研究家
1997年北京中医薬大学に留学し、国際鍼灸医師、国際薬膳師を取得。さらにタイやスリランカ等アジア諸国の伝統医学を幅広く研究。帰国後は漢方・薬膳セミナー、美容サロンのメニュー作成・技術指導、店舗への薬膳レシピ提供、テレビ番組の企画、健康記事の執筆・監修
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